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「小児期のウイルス性肝炎の病態解明と治療の標準化に関する研究」

「小児B型慢性肝炎の自然経過とインターフェロン治療の効果」

 子供のB型慢性肝炎に対するインターフェロン治療の効果に関する研究は世界各国で実施されていますが、患者背景の違いやB型肝炎ウイルスの遺伝子型の違いなどにより結果が異なります。今回は、1986年から2013年までに診断された日本人の小児B型慢性肝炎155人の資料を使ってインターフェロン治療の効果を調べました。セロコンバージョン、ALTの正常化、B型肝炎ウイルスDNAの減少を指標に評価しました。 155人のうち48人 (31%) がインターフェロン治療を受けていました。インターフェロン治療が完了して一年後に、ALTの正常化とウイルスDNAの減少がおこったのは、治療例48人にうち43名、非治療例97人のうち29名でした。セロコンバージョン、ALTの正常化、B型肝炎ウイルスDNAの減少のいずれもインターフェロン治療例で高率に起こっていました。
 今回インターフェロン治療が小児B型慢性肝炎に効果があることを示すことができました。小児B型慢性肝炎の治療ガイドラインでは、原則として「小児B型慢性肝炎の治療は、 インターフェロンあるいはペグインターフェロン単独治療を基本とする」となっています。しかし、副作用なども考慮したインターフェロン治療の効果の検討はまだ十分ではありません。本研究班はこれからも小児B型慢性肝炎症例の情報を集めて、日本人のための治療法を検討していきます。

【出典】
  • 筆者:Takano T, Tajiri H, Etani Y, Miyoshi Y, Tanaka Y, Brooks S.
  • タイトル:Natural history of chronic hepatitis B virus infection in childhood and efficacy of interferon therapy.
  • 掲載雑誌:Scand J Gastroenterol. 2015 Jul;50(7):892-9
  • Pubmedリンク先