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「小児期のウイルス性肝炎の病態解明と治療の標準化に関する研究」

「B型肝炎母子感染予防成功例における不顕性B型肝炎ウイルス感染の検討」

 2015年1月にB型肝炎( HB )ワクチンの定期接種化が決定されました。今後は乳児期のワクチン接種で成人期まで予防可能か、成人前の追加接種必要かを検討する必要があります。

大阪府内の2病院で、1990年から2012年にB型肝炎母子感染予防処置を行い、 24ヵ月以上経過観察した105 例を対象としました。ワクチン3回終了後は原則として生後 6-7か月、その後は6-18ヵ月ごとにHBs抗原、HBs抗体、HBc抗体の測定を行いました。 最終観察月齢中央値は62ヵ月(24-228ヵ月)でした。

HB母子感染予防成功105例においてHBワクチン追加接種が40例に行われており、低反応群(HBワクチンの初期反応として、ピークHBs抗体価が10-300mIU/ml)で追加接種の比率が高くなっていました。また、HBs抗原陽性の感染例は認められませんでした。不顕性HBV感染は全症例の4%でしたが、母のHBe抗原陽性例に限ると25例中4例(16%)を占めていました。

HBワクチン低反応例やHBe抗原陽性の同居者がいる場合は、HBワクチン接種後も定期的受診を勧め、不顕性感染予防と、将来の再活化リスクを無くすために、HBs抗体低下時は追加ワクチン接種をすることが望ましいと考えられます。


【出典】
  • 筆者:高野智子、田尻仁、惠谷ゆり、三善陽子
  • タイトル:B型肝炎母子感染予防成功例における不顕性B型肝炎ウイルス感染に関する検討
  • 掲載雑誌:肝臓,57巻10号 Page 554-556.