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「小児期のウイルス性肝炎の病態解明と治療の標準化に関する研究」

「ゲノタイプC型の小児B型慢性肝炎に対する
          核酸アナログ短期併用インターフェロン療法によるHBs抗原産生の低下」

 小児のB型慢性肝炎に対するインターフェロン治療ではHBs抗原の低下や陰性化を起こすことはまれであり、アジアで多いゲノタイプC型によるB型慢性肝炎の小児においては報告されていません。

 小児のB型慢性肝炎に対するインターフェロン (IFN) 治療ではHBs抗原の低下や陰性化を起こすことはまれです。特に、アジアで多い難治性のゲノタイプC型の小児B型慢性肝炎の報告はありません。

 今回は難治とされているゲノタイプC型のB型慢性肝炎の小児11例に対して、核酸アナログ短期併用インターフェロン療法(NUC-IFN療法)を行い、HBs抗原の変化について過去にインターフェロン単独治療を行った12例との比較検討を行いました。

 NUC-IFN療法11例のうち3例でIFN-αとラミブジン、8例でPEG-IFNとエンテカビルを使用しました。NUC-IFN治療群とIFN単独治療群との間には、年齢、性、感染経路、IL28BSNP、ウイルス量前値、IFN治療期間に有意差はありませんでした。

 NUC-IFN治療群では11例中9例で治療終了後とその6ヵ月後のHBVDNA量を4.0 logコピー/ml以下に抑えることができました。一方、IFN単独治療群12例ではウイルス量を抑えることができたのは治療終了後2例、その6ヵ月後3例でした。NUC-IFN治療群において、HBs抗原力価(log IU/ml)の平均値は治療前4.03から治療終了6ヵ月後2.91と明らかに低下しました。また11例中4例でHBs抗原が1000 IU/ml未満に低下し、1例はHBs抗原陰性化を達成しました。IFN単独治療群ではHBs抗原量に変化を認めませんでした。

 なお副作用に関しては、NUC-IFN治療群とIFN単独治療群との間には有意差はありませんでした。

 以上のことから、難治性のゲノタイプC型の小児B型慢性肝炎に対する核酸アナログ短期併用インターフェロン療法がHBs抗原量の低下とHBVDNA量の抑制に有効であること、また一部では小児期にもHBs抗原が陰性化する可能性が示唆されました。HBs抗原の陰性化を最終目標とするB型肝炎の治療を小児期にも実用化できるよう検討を続けていきます。

【出典】
  • 筆者:Tajiri H, Takano T, Tanaka Y, Murakami J, and Brooks S.
  • タイトル:Suppression of hepatitis B surface antigen production by combination therapy with nucleotide analogues and interferon in children with genotype C hepatitis B virus infection
  • 掲載雑誌:Hepatology Research 2018 Jul 7. doi: 10.1111/hepr.13227
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