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「小児期のウイルス性肝炎の病態解明と治療の標準化に関する研究」

「若年成人におけるB型肝炎ウイルス関連肝細胞癌:任意接種B型肝炎ワクチンの有効性」

要約
目的:日本では、乳児期のB型肝炎ワクチン接種は、1986年から2016年の間に母親が持続感染者であった場合にのみ実施されていました。 本研究の目的は、若年成人における肝細胞癌の予防に対するワクチン接種の結果を明らかにすることでした。

方法:全国データベースを用いて、1976年から2017年の間に肝臓癌に罹患し、死亡した患者数を調べました。 さらに、2007年から2016年の間に40歳未満でB型肝炎ウイルス関連肝細胞癌と診断された患者に焦点を当てて全国調査を実施しました。

結果:全国データベースでは、40歳未満の患者の死亡数は1986年の337名から2016年の61名に減少したことが確認されました。 調査に登録された122名の肝細胞癌(HCC)患者のうち、3名のみが1986年のワクチン接種開始後に生まれていました。 FIB-4 indexの値が高いこと(3.25以上)により定義される肝硬変は、調査時点では患者のわずか12.5%で確認されました。 HCCは、122名の患者のうち85名(69%)で偶然診断されていました。 60%を上回る患者(88名中54名)が研究の時点では死亡しており、これは診断の遅れによるものであった可能性があります。

結論:任意接種B型肝炎ワクチンは、B型肝炎ウイルス関連HCCの予防に有効でした。 対照的に、B型肝炎ワクチン接種およびHCCサーベイランスを受ける機会を逃した多数の若年成人がHCCを発症して死亡していました。 HCCの発症を防ぐには、若年成人におけるB型肝炎ウイルスのスクリーニングと感染者の注意深い経過観察が重要です。

キーワード:B型肝炎ウイルス、肝細胞癌、任意ワクチン接種 、α-フェトプロテイン

  • 著者: Yotsuyanagi H, Takano T, Tanaka M, Amano K, Imamura M, Ogawa K, Yasunaka T, Yasui Y, Hayashi K, Tanaka Y, Tajiri H; Japanese adolescent HBV-HCC study group.
  • タイトル: Hepatitis B virus-related hepatocellular carcinoma in young adults: Efficacy of nationwide selective vaccination.
  • 掲載雑誌: Hepatol Res. 2020 Feb;50(2):182-189.
  • Pubmedリンク先